毎月1日発行 発行責任者 守一雄
(kaz-mori@cc.tuat.ac.jp)
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恒例にしたがって、昨年の活動を簡単に報告します。生成AIの利用が日常化し有料のChatGPTのサブスク契約もはじめました。2月に始まったJ2リーグでは贔屓チームのJEF千葉が開幕から連勝を続け、途中やや失速したりしたものの、最終的には17年ぶりにJ1復帰を果たしました。また、2月末には10年ぶりに科研費の採択内定の嬉しいニュースがありました。4月には妻の父が元気に百歳の誕生日を迎え、ひ孫までの4世代でお祝いをしました。この義父は並の百歳とは違い、毎週高尾山に登り、10月にはオートバイでエコマイレージレースに出場するほどの規格外のスーパー百歳です。元気な高齢者の生き方を見習って、私もサッカー観戦にも3回出かけました。
そうは言っても、外出はどうしても控えることが多くなり、自宅に籠って主夫と在宅研究者を続けています。ChatGPTのサポートもあって、昨年は英文論文を8件投稿しました。論文の査読も基本的に依頼されたものを全て引き受けることにしているのですが9件に留まりました。今年も元気に暮らしたいと思います。(守 一雄)
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(c)文藝春秋社 |
まだ41歳の若手だが、15年くらい前から毎年1冊のペースで著書を出し、著述業で生計を立てているのはすごいことだ。デビュー作は『世界軍歌全集:歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』(社会評論社、2011年刊)だから27歳の時で、昨年(2025年)に出した『「あの戦争」は何だったのか』(講談社現代新書)がベストセラーになって注目され、テレビにも出演するようになったらしい。早速、5冊ほどを読んでみたが、話題となった『「あの戦争」…』も面白かったが、この古関裕而さんの評伝が一番面白かった。
古関裕而さんと言えば、私が中学1年生だった時の1964年の東京オリンピックの開会式に流れた「オリンピックマーチ」の作曲者と知っていたが、この本を読んで、軍歌を含むたくさんの流行歌の作曲をしていたことがわかった。
思えば私が子どもの頃は軍歌がもっと身近だった。終戦から10年しか経ってなかったのだから当然かもしれない。私の父もよく鼻歌のようにいろいろな軍歌を歌っていた。パチンコ屋からは「軍艦マーチ」が大音量で外まで流れ出していたものだった。この本を読むまでは、こうした軍歌は戦意高揚のために国や軍が作っていたのだと思っていたが、当時は今で言えば「流行歌」のような位置付けだったのだ。
古関裕而さんはいつの時代も、時代の要請に応えて、数々の作曲をしてきた。古関さんが特に軍国主義者だったわけではなく、また軍歌によって戦意高揚の片棒を担ぐという意図もなかったと思う。副題にあるように、古関さんはその時代その時代で「国民を背負った作曲家」だったのだ。
この本は国民的作曲家だった古関さんの評伝であるとともに、戦前から戦後への昭和史を描いている。辻󠄀田さんのデビュー作『世界軍歌全集』と同様に、軍歌を通して、当時の世相を描き出すという視点が素晴らしいと思う。(守 一雄)