第39巻第8号                2026/5/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行 発行責任者 守一雄
(kaz-mori@cc.tuat.ac.jp)
https://kaz-mori.jp/dohc/

 今月中に大腸がんの手術をすることになりました。予想していたよりも切除する部分が大きいのにちょっと驚きましたが、それでも腹腔鏡手術で済むとのことです。体調も万全なので初めての手術体験を楽しんでくることにします。

 農工大の中国語の先生との共著でPLOS ONEに投稿していた論文がやっと採択になりました。査読を依頼してくるときには急かせるくせに、去年8月に投稿してから最初の査読結果まで5ヶ月もかかり、その割には大した修正意見もなく、すべての修正意見を反映した修正原稿を1月に再投稿してからも「採択」の判断までさらに3ヶ月もかかるという理不尽な査読でした。これで40万円も掲載料を取るんですから「高級ハゲタカジャーナル」には二度と投稿するまいと思いました。

 このPLOS ONEに公刊予定の論文では、日本で広く使われている「主人」「家内」という男性優位バイアスがかかった夫婦呼称語の潜在的イメージをより中立的な「夫・妻」の潜在的イメージと比較することで、「主人・家内」がその字義から想定されるほど男性優位的というわけではないことを見出しました。今月の『DOHC月報』では、ビートルズのジョン・レノンが自分とヨーコとを「主人・家内」と呼んでいたことがわかるイラストが掲載されているこの本を紹介することにしました。(守 一雄)


(c)ブルーシープ
 

【これは絶対面白い】

『DOUBLE FANTASY – John & Yoko』

ブルーシープ(¥5,500)

 奥付けを見てもこの本の著者が誰なのかがよくわからない。どうやら2018年に英国リバプールで開催された「DOUBLE FANTASY: John & Yoko」という展覧会の公式ガイドブックを、2020年に日本でも同展を開催した際に日本語訳を付けて出版したもののようだ。元々の構成をしたリバプール博物館を著者とするべきなのかもしれない。ただ、実質的にはJohnとYokoの写真と文章、そしてイラストで構成されているので、JohnとYokoの作品であることは間違いない。

 写真が多く含まれることもあって500ページを超える本のほとんどがアート紙なので驚くほど重い本になっている。二人が生まれてから出会うまでの貴重な写真がたくさんあって、Yokoが日本の上流家庭の出身であることがわかる幼児期の写真もあった。また、二人は出会う前にどちらも結婚していて、離婚後に再婚したことは知らなかった。

(c)Yoko Ono Lennon
 
 「戦争を止めてみせる」と豪語して大統領になったトランプが戦争を止めるどころか新しい戦争を次々に始めてしまい、第三次世界大戦が心配されるようになった今、JohnとYokoの平和のための種々のパフォーマンスの意味を改めて考えた。Johnの『イマジン』という平和を願う歌もYokoからの影響を受けたものだったようだ。

 二人はどちらも音楽だけでなく、絵や文章など、小さい頃から非凡な才能の持ち主だったこともわかる。そして、冒頭に述べたようにJohnが「主人」と「家内」を使っていたことがわかるのは、396ページに収録されている右のイラストである。JohnはYokoのことを「Boku no Kanai desu」と紹介し、Yokoも「Watakushi no Shujin desu」と言っている。Johnは日本にもよく来ていたそうだが、日本語も勉強していたんだ。(守 一雄)

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