DOHC1301

第26巻第4号                2013/1/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]
(kaz-mori[at-mark]cc.tuat.ac.jp)
http://www.avis.ne.jp/~uriuri/kaz/dohc/dohchp-j.html

 新年あけましておめでとうございます。年賀状の新しいデザインを作る気力がなくなり、ついに今年はサボってしまいました。元日をだいぶ過ぎましたが、このDOHC月報を年賀状代わりとさせていただきます。2012年は、仕事(研究と教育)はお叱りを受けない程度にしかやりませんでした。海外の学会(SARMAC)の事務局を引き受けたこともあって、それを口実に仕事をだいぶサボり、そのサボリ癖が年賀状欠礼につながりました。もっとも、気力はやや減退気味ですが、身体の調子は良く、ほとんど病気もせず一年を過ごしました。ありがたいことです。

 今年はそのSARMACの定期総会が6月にオランダのロッテルダムであるので発表の準備を進めています。発表内容を英文論文にして、昨年わずか1件だった新規論文投稿を上回るよう気合いを入れ直すつもりです。今年もどうぞよろしくお願いします。

 さて、新春にふさわしいおめでたい話題で、結婚に関する本を紹介することにします。垣谷さんの本は昨年11月に『七十歳死亡法案、可決』(幻灯舎)を紹介しました。現代の日本の大問題である少子高齢化社会への対策として「高齢者は70歳になったら死ななければならない」という法案が可決されたらどうなるかを仮想的に描いた小説でした。これは「高齢化」への解決策でしたが、今回紹介するのは「少子化」に対する解決策として「独身の若者同士を無理矢理お見合いさせて結婚させる」という法案が可決されたというものです。実は、こちらが出版されたのは2010年7月で『七十歳死亡法案、可決』の一年半も前でした。ただ、出版順通りに紹介すると死ぬ話が新年にくることになり、いかにも縁起が悪いので順番を逆にした次第です。「七十歳死亡法案」と同様、私はこの法案にも賛成です。(守 一雄)


(c)双葉社
 

【これは絶対面白い】

垣谷美雨『結婚相手は抽選で』

双葉社(¥1,470)

 冒頭に『週刊毎朝』10月5日号の記事としてこの法案の骨子が紹介される。

 抽選見合い結婚法が来年四月一日より施行されることがきまった。
 対象は、25歳から35歳までの男女で、子どものいない独身者である。抽選方法は地域ごとに、本人の年齢プラスマイナス5歳の範囲内で無作為とされている。
 相手が気に入らなければ、3人までは断ることができる。(断られる側には人数制限はない。)しかし、3人断った場合には海外に派遣される「テロ対策活動後方支援隊(通称テロ撲滅隊)」に2年間従事しなければならない。
 政府は、同法の目的を、少子化の最大原因とされる晩婚化対策のためと発表しているが、その裏には、アメリカの圧力に抗しきれず、テロ撲滅のために軍隊を出動せざるを得なくなった事情が見え隠れする。名目上は支援隊であるが、内容は軍隊という噂である。

 と、書き出しのスタイルも『七十歳死亡法案、可決』と同様である。この本では、地方で母親と二人暮らしをしている看護師の好美(31歳)、貧しい農家出身ながら苦労して東京で建設会社を興した父親を持ち、自分自身は苦労もなく育って、音大卒業後に伯父のコネでラジオ局に就職している奈々(30歳)、そして私大(のおそらく工学部)を卒業後、コンピュータソフト会社でシステムエンジニアをしている「彼女いない歴27年」の龍彦(27歳)の3人を中心に、この法律の施行後の見合いの様子、かけひき、そして一年後が描かれる。『七十歳死亡法案、可決』と同様、この小説の面白さは設定にある。いろいろな年齢や状況の主人公でもそれぞれ面白い話が書けそうだ。自分が主人公だったら、と考えながら読むのも面白いだろう。(と、私の紹介の仕方まで同じになってしまった。まだサボリ癖が抜けてないようだ。)(守 一雄)

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