毎月1日発行 発行責任者 守一雄
(kaz-mori@cc.tuat.ac.jp)
http://www.avis.ne.jp/~uriuri/kaz/dohc/dohchp-j.html
結論から言うと、これはオススメです。遅ればせながら、ここで紹介することにしました。本書を読んで、いくつか誤解していたことが修正されました。第一に「移民してきた人はいずれ同化する」と漠然と考えていましたが、それは誤解でした。古くは小泉八雲とかのように日本文化に魅了された結果、日本人になってしまった人や、ラモス瑠偉のように日本人以上に熱く大和魂を体現するようなサッカー選手だけを移民の例と考えていましたが、これらはむしろ例外で移民は自分たちの元々の生き方や文化を捨てるはずがないのです。一方で、移民した日系ブラジル人が今も現地で日本文化を守り続けていることを好ましく思っていました。
次に、「移民」と「出稼ぎ外国人」を同じように考える誤解もしていました。一時的に出稼ぎに来ているだけで、いずれは母国に帰るものだと思っていました。このことで思い出すのは、私自身のカナダ留学時の経験です。最初の年は大学の寮に入り、イラン人、イラク人などと同じアパートをシェアするものでしたが、彼らは私と同じ留学生であっても国に帰るつもりはないことを知り驚きました。私のように「帰るつもりで来ている」という方が彼らにとっては不思議だったようでした。
もう一つ誤解が解けたことは、移民を排除する政治的立場を「極右」と呼ぶのは、移民推進派による蔑称だということに気づいたことでした。マスメディア自体がリベラルに偏っているために、アメリカのトランプ次期大統領やイタリアのメローニ首相、フランスのルペン国民連合党首は「極右」とされます。私にとっては「極右」というと大音量で軍歌を流しながら走る街宣カーのようなイメージを持ってしまうのですが、移民反対が「極右」なのなら、つい最近までの自民党も「極右」だったことになります。この本を読んで「移民反対」と思うようになった私も「極右」ということです。
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(c)東洋経済新報社 |
最後に改めて確認できたことは、移民問題の根底にあるのはイスラム教だということでした。原書の副題の最後にIslamとあるだけですが、「西洋の自死」は「移民」だけのせいではなく、「イスラム教移民」であることが真の原因だと思います。だとすれば、おそらくアメリカはまだ大丈夫でしょう。では、日本はどうでしょうか?(守 一雄)