毎月1日発行 発行責任者 守一雄
(kaz-mori@cc.tuat.ac.jp)
http://www.avis.ne.jp/~uriuri/kaz/dohc/dohchp-j.html
おいおい、5月1日発行のDOHC5月号にどうして5月6日のサッカー観戦の話題なの?と言われるでしょうが、実はこの試合に向けてずっと気もそぞろで、すっかりDOHC月報のことを忘れていました。というわけで、発行も10日ほど遅れました。ごめんなさい。(守 一雄)
|
|
(c)新泉社 |
現代に生きているとどんな色でも自由に作れるように思ってしまうが、考えてみると昔は特定の色に染め物をしたり、特定の色の絵の具を作ったりすることは難しいことだった。絵の具なんて、赤青黄の三原色があればいくらでも自由にいろんな色が作り出せると思っていたが、その肝心の三原色自体をどうやって作ったらいいのかまでは考えたことがなかった。少し前に日本人研究者が青色の発光ダイオード(LED)の発明でノーベル賞を取ったことが話題になったが、大昔には青い絵の具を作ることも難しいことだったのである。
では「大昔」というのは、いつくらいのことだろうか?エジプシャンブルーは4,500年前の古代エジプトで、サハラ砂漠の砂を使って作られたらしい。さらに古い青であるオドントライトは、紀元前 6,000年の古代遺跡から発掘された青い石だが、マンガンを使ってどうやって青くしたのかはわかっていないという。
青の絵の具がなければ、中世の画家たちも宗教画を描くこともできなかった。ウルトラマリンブルーという青の顔料は当時、金と同じ価値があったそうだ。美しい青色が作れても、高価なものでは大量に使うことができない。そこで、人はいろいろな方法によって青を作ってきた。どうやって作ったのか?それをわかりやすく解説したのがこの本というわけだ。
ジュニア向けらしく、二人の中学生の男の子が夏休みに、やや変わり者の元大学教授の指導の下、いろいろな青を実際に昔のやり方で作る体験をするという設定になっている。冒頭のカラーページに、本書に登場する主な色やそれを使って描かれた絵画などが紹介されていることも嬉しい。表紙および随所に挿入されたイラストも味があって、理解を助けるものとなっている。表紙以外はそのイラストも青と黒だけで描かれていて、本全体を統一感のあるオシャレなものにしていることも素晴らしい。 (守 一雄)