第38巻第11号 2025/8/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY
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毎月1日発行 発行責任者 守一雄
(kaz-mori@cc.tuat.ac.jp)
http://www.avis.ne.jp/~uriuri/kaz/dohc/dohchp-j.html
先月の参議院選挙は最後まで立花孝志さんのNHK党か安野貴博さんのチームみらいかで迷ったのですが、立花さんの当選は兵庫県の有権者に託し、長野県選挙区比例区ともにチームみらいに投票しました。結果的には安野さんだけが当選となりましたが、新しい視点から若い才能を発揮してくれることに期待します。
もうかれこれ7年近く前にごく軽い脳梗塞をやって検査のために入院しました。退院後は血をサラサラにする薬を毎日飲み続けることになり、近くの医院に薬の処方と健康状況の確認のため2ヶ月おきに通っています。その医院から、前回の6月に採血した結果について「治療方針について相談したいので、奥様と一緒に来院してください」と電話で連絡がありました。早速、妻の予定を確認して次の水曜日に行くことにし、連れ立って出かけました。すると「血清鉄の数値が低いなど貧血のサインが出ている。内臓のどこかで出血している可能性があるので胃カメラと大腸カメラで検査をした方がいい」と勧められました。
実は、前にも一度、同様の連絡があり、その時は長野市民病院で検査の予約までしたのですが、検査当日に順番を待っているうちに「検査をしても何もいいことがない」ことに気づき、キャンセルして帰ってきたことがありました。どうやら、今度は妻を説得して検査を受けさせようということだったようです。予想通り、「前回よりもさらに数値が悪くなっているので念のために検査をした方がいい」と医師に勧められ、妻は賛同していましたが、決定権があるのは私なのでお断りして帰ってきました。
そんなわけで、決心を固めるために久しぶりに久坂部羊さんの本を読もうと思いました。最後に読んだ『人はどう老いるのか』の後に6冊の新刊があり、嬉しいことに古書店でも見つからなかった幻の作品『老いて楽になる人、老いて苦しくなる人』が「新装版」として再出版されていました。(守 一雄)
【これは絶対面白い】
久坂部羊 『老いて楽になる人、老いて苦しくなる人』
ビジネス社 (¥1,320)
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(c)ビジネス社
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小説家としてデビューする前に、本名の久家義之名で2002年に出版されていたものをほぼそのままに、最近の知見を一部加筆して再出版したものである。まだ「未老の世代」だった47歳の久家医師が、自身が勤務する老人デイケアクリニックでのいろいろな老人たちの生き方を紹介しながら、「どんな老人として生きたいか、生きるべきか」を書いたものである。
久家さんの主張は明快で、「最新の医学でも老いることと死ぬことを克服することはできない。だとすれば、それを肯定的に捉えて、受容するしかない」ということだ。久家さんの主張は久坂部さんに変わった23年後にもまったくゆるいでいなかった。しかも、この23年間の医学の進歩をもってしても、ほとんど内容を修正する必要がないということが、この主張の正しさを証明している。
「老いて苦しくなる人」というのは、自分の老化を受け入れられずに、なんとかして老化を食い止めよう、元の若い心身を取り戻そうと「努力」する人である。しかし、その「努力」は自分や周囲を苦しめるだけである。一方「老いて楽になる人」というのは、老化を受け入れて、老いを楽しむ人である。私ももう十分長く生きてきたし、やりたいこともやってきた。あとは「楽しむ」だけである。(守 一雄)
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